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恒心文庫:音姫

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本文[編集]

唐澤がそれを初めて目にしたのは、紫陽花が美しく咲いたある日のことだった。いつものように女子トイレに潜入した唐澤はふと、見慣れぬ機械があることに気づく。恐る恐るボタンに触れると、涼しげな水流の音が、どんよりと湿った空気の中に響いた。

「それは音姫ですね」事務所に戻った唐澤に同僚の山岡が答えた。おおよそ女子トイレにしか設置されないそれを唐澤がなぜ目撃したのか、についてはあえて触れぬ優しさを見せながら、山岡はその機能について開設した。一つ、一般に女性は自分の排泄音を他人に聞かれることを嫌う。一つ、かといって公衆トイレを防音仕様にするのはコストや安全面から問題がある。一つ、そうだ、水音を立てて音をかき消すナリ!といった具合に。

自身も中学時代に似たような発想を得たことのある唐澤は、それをすぐに理解した。理解の後に続くのは行動である。唐澤は早速、音姫の販売元であるT○T○の本社と、あとついでに福岡ヤフオクドームに向けて核を発射。邪魔者は早期に潰す。これは彼が青春時代に弟を殺して以来の人生哲学であった。

さて、商売敵を消し去った唐澤が次にとった行動は、音姫の代わりとなるトイレ用擬音発生装置の開発である。これは意外にもスムーズに進んだ。唐澤がそのために拉致した畜生プログラマーと元東大工学教授が有能であったからだ。

こうして音姫ならぬ『音弁護士』がこの世に生まれでた。30万円という強気の価格設定にも関わらず、43044個も売れるヒット商品となった秘訣は、そのユニークな機能にある。従来の音姫は事前に組み込まれた音を流すだけであったが、音弁護士は違う。利用者がボタンに触れると独自の通信機能により事務所のテレビ電話に直通。受話器に向かって叫ぶ唐澤のリアル絶叫音が流れる。消音効果は従来品の2783倍である、と広告は謳っている。ちなみに映像もしっかりと送られてくるので、女性の排泄姿に異常な興奮を示す唐澤も大満足、となるはずであった。

しかし事件は起きるのだ。

唐澤にとって誤算であったのは、購入者のほとんどが恒心教徒であったことだ。いたずらにボタンを連打し通信妨害をするだけならまだ可愛い方。殺すと書かれた紙を提示するもの、カメラに向かってナイフを振り下ろし怯えさせるもの、あるいはマスターベーションを見せつけるもの。ちなみに全員が男性であった。まず女性はいないんですね、という自分の過去の発言を反芻しながら唐澤は肩を落とした。

さらに深刻な問題があった。ごく一部ではあるものの、まっとうな利用者が存在したことだ。つまり唐澤は彼らが排便するたびに絶叫せねばならず、音弁護士の発売から一ヶ月も経たぬうちに、酷使のため彼の声帯は完全に破壊された。こうして唐澤は自力で声を発する術を全く失ってしまった。以来、この男がネット上で何か情報を発信するたび、このように揶揄されるのだった。声なき弁護士に力を。と。

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